Facebook(フェイスブック)はオンライン広告の常識を変える
Facebook広告を調べてみて、その柔軟性に驚きました。というのも、企業に限らず、レストランなどローカルなお店を経営している人、イベント開催者など、様々な立場の人にとって非常に有効な告知手段になるように設計されているのです。
Facebookが実名にこだわったことは、Facebook広告の出稿者、また広告を見るユーザーにとって最大の恩恵をもたらしたように思います。
今回は、Facebook広告の基礎知識と配信設定をするときのポイントについて解説します。オンライン広告の経験がない人でも、これを見たら試してみたくなるはずです。
Facebook広告とは何か
Facebook広告とは、ニュースフィードや自分のウォールや友達のウォール、ファンページのウォールなどを表示したときに、右側に表示されるものです。ユーザーが画面を切り替えたり更新したりするたびに、その時最も適した広告が表示されるようになっています。
広告は、自分のファンページに関するもの、イベントに関するもの、外部サイトに関するものの3種類が設定できます。
ファンページやイベントの場合、広告のクリエイティブ(画像、本文)をクリックしたときは、Facebook内のファンページ、またはイベントページにリンクします。
ファンページの場合、クリエイティブの下に「いいね!」が表示されますが、ここで「いいね!」をクリックすれば、それでファンになることができます。
イベントの場合は、クリエイティブの下に「このイベントに出欠を返信」が表示されます。これをクリックすると、参加、未定、欠席から返事を選択できます。
外部サイトの場合は、クリックすると指定したWebサイトへ遷移します。
Facebook広告がすごい3つのポイント
Facebook広告には、他の広告にはない素晴らしい点が3つあります。それぞれについて解説しましょう。
ターゲットを詳細にしぼれる
広告の配信設定をするときに、広告を表示する対象を詳細に設定することができます。いわゆるセグメント広告と呼ばれるものです。
設定できる項目は、国、地域などのエリア情報、年齢、性別、婚姻状況、恋愛対象、学歴などなど。
特に「好きなものと趣味・関心」では、ユーザーがファンになっているファンページや、プロフィールの「活動」「趣味・関心」「好きな音楽」「好きなテレビ番組」「好きな映画」「好きな本」で登録した内容を指定することができます。ここまで詳細に設定できるのは、Facebookが実名登録にこだわったからです。実名で登録せざるを得ないならば、ユーザーはプロフィールも本来の自分に近い情報を登録します。
これによって、まさにピンポイントのターゲットに広告を表示させることができるようになったのです。
「ページビュー至上主義の終焉」という記事では、これまでWebサイトの評価はページビューが重要視されていたということを書きました。例えば、広告収入モデルのオンラインメディアなどにとっては、ページビューというのが広告出稿をしてもらう上で重要な指標であったのです。つまり、月間100万ページビューのWebサイトよりも、1日1億ページビューあるWebサイトのほうが見る人が多く、それだけクリックする人の数も増えるので、広告効果が高いというように判断されていたのです。
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しかし、1日1億ページビューのWebサイトを見る人の属性はバラバラで、かえって広告としてアプローチしにくいという問題がありました。1億人に広告が見られたとしても、広告をクリックして期待するアクション(購入、登録など)をした人が0人ならば広告の効果もゼロになってしまうのです。
Facebook広告は、対象を限定することで、その広告の情報を必要としている人だけに届けることができるため、1,000インプレッション(広告が1回表示されることを1インプレッションと数えます)で、100アクションが返ってくることもありえるのです。
ソーシャルグラフを最大限に利用
広告の例をもう一度見てください。クリエイティブの下に「◯◯さんがいいね!と言っています」「◯◯さんが出席する予定です」と表示されています。これは、自分の友達がそのファンページのファンだったり、そのイベントに参加する場合に表示されます。
Facebookでは、友達の◯◯さんが・・・という情報が付いた状態で表示される回数を「ソーシャルインプレッション」、友達の◯◯さんが・・・という情報が付いた状態でクリックされた回数を「ソーシャルクリック」と呼んで、通常のインプレッション、クリックとは分けて考えます。
ただのファンページと、友達が「いいね!」と言っているファンページが表示された場合、どちらのほうが訴求力があるでしょうか。あるいはただのイベントと、友達が出席すると言っているイベントでは、どちらのほうに参加したいと思うでしょうか。
このソーシャルグラフを使った広告の威力ははかりしれないものがあるでしょう。
自分で自由に管理できる
ある程度の予算を投じてオンライン広告を掲載したことのある方ならご存知でしょうが、世の中には広告を掲載するメディアと広告を出稿したい企業との間を取り持つ代理店というものが存在します。
仲介役の代理店があるおかげで広告配信がスムーズにいくというメリットも大きいのですが、そこでマージンが発生したり、広告の条件を変更するのが手間だったりという側面もあります。
しかし、フェイスブック広告では、広告の設定、予算の設定、期間の指定、条件の変更、広告の中止、再開などがすべて、広告を出稿する人が自分で決められます。その操作もFacebookのインタフェースを使ってとても簡単にできます。これもとても大きなメリットであると思います。
Facebookの広告の考え方
Facebookの広告には、2種類があります。
一つは表示回数によって支払額を決めるインプレッション単価広告(Cost Per Mille、以下、CPM)で、もう一つがクリック回数によって支払額を決めるクリック単価広告(Cost Per Click、以下、CPC)です。CPMとCPCのどちらを選ぶか
CPMは広告を1,000回表示するたびに課金される金額、CPCはユーザーが1回クリックするたびに課金される金額です。
CPMが1,000円だった場合、1回の表示料金は1円です。500円であれば、1回の表示料金は0.5円になります。つまり、クリックされてもされなくても予算に応じて表示される回数は決まっています。
CPMで重要になる要素は、広告のクリエイティブ(イメージとテキスト)の質です。印象的でクリックしたくなるようなクリエイティブであれば、効果が高くなります。
Aという広告は、その広告を見た人のうち100人に1人がクリックしました。別のBという広告では見た人のうち1,000人に1人しかクリックしませんでした。この場合、1クリックの価格の差は10倍ということになります。
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一方、CPCが50円だった場合は、広告がクリックされる度に50円が課金されていきます。このとき予算の上限を1,000円と設定した場合は、20回クリックされるまで広告が表示されます。もし、20回表示して毎回誰かがクリックしたとしたら、20回表示しただけで掲載が終了になります。
さて、2つの広告課金モデルを基に効果的な使用例を考えてみましょう。前提として予算は10万円とします。そしてCPMが1,000円、CPCが500円であるとします。
もしCPMで契約した場合、1,000円で1,000回表示されるため、合計では10万回の表示ができます。
CPCの場合は、予算の範囲内で200人がクリックされるまで広告が表示されることになります。クリックしたくなるような魅力的なクリエイティブであれば、あっという間に上限に達してしまうかもしれませんし、逆にあまりクリックされないクリエイティブであれば、表示回数は増えていきます。よって、クリエイティブに自信があるならCPM、自信がないならCPCを選ぶというような考え方もできます。
なお、広告の目的がファンページのファンになってもらうこと、あるいはイベントに参加してもらうことであれば、クリックしてもらうことが大事なのでCPCがよいでしょう。一方、ファンにならなくてもいいから、とにかく知名度を上げたい、いろいろな人に自社の名前を見てもらいたいという場合は、CPMにして露出を増やすという考え方もあります。
もう一つ付け加えるならば、ファンページの広告の場合、ファンでないユーザーに最初に表示されるランディングページの内容は充実させましょう。せっかく広告をクリックしてファンページを訪れてくれたのに、ランディングページの出来がいまひとつのせいで、そのまま離脱されてしまったら、本当にもったいない話です。CPMでは表示された時点で、CPCでは広告をクリックした時点で課金されるので、最終的にファンになってもらわなければ、お金を捨てたようなものです。
オークション方式で掲載が決まる
Facebook広告では、広告の配信を設定するときに、予算(1日の予算と通算予算のどちらか)と最高入札額を指定します。最高入札額とは、CPCであれば1クリック、CPMであれば1,000インプレッションに支払う最大の金額です。
Facebookでは、同一のターゲットに複数の広告主が掲載を依頼してきたときに、自動的に最高入札額とパフォーマンス(これまでの広告の効果や履歴など)を分析して、最適な広告を表示するようになっています。
例えば、CPCの最高入札額が100円の広告Aと、同200円の広告Bがあったとします。この時、最高入札額からみて広告Bが掲載されることになり、広告Aは掲載されません。もちろん、その場合広告Aには課金されません。また、ターゲットが広告をクリックした場合、広告Bに課金される金額は200円ではなく、落札に必要な最低金額(この場合101円)が課金されます。
最高入札額を指定するときに、設定したターゲット情報に基づいてFacebookが入札推奨価格を提示します。この価格よりも低い価格を設定すると、他の広告に競り負けて露出の機会が減ってしまいます。よって、なるべくこの推奨価格の下限を超える金額を設定するとよいでしょう。
広告掲載までの流れ
では広告掲載までの流れを紹介します。それぞれの設定のコツや考え方などは、後述します。まず、ファンページにアクセスして、「広告を使って宣伝」をクリックして広告の作成ページを表示します。
画面にしたがって、設定をしていきます。
最初に広告のクリエイティブとなるタイトル、テキスト、画像、リンク先などを設定します。
行かないには、noどこでティーンエイジャー
続いて広告を表示するターゲットを指定します。
そして広告の予算、日程、最大入札額を指定します。
設定ができたら、「広告の確認」をクリックして広告の内容を確認します。問題がなければ「注文をする」をクリックします。
初めての場合は、支払い方法(クレジットカードまたはPayPal)を指定します。また事業所の情報も登録します。
設定が終わると広告マネージャーが利用できるようになります。これは、広告の効果としてどれくらい見られたか、どれくらいクリックされたかなどを表示するもので、リアルタイムで確認できます。また設定した内容は、ここからいつでも変更することができます。
効果的なクリエイティブの作り方
さて、フェイスブックの広告では、指定できるクリエイティブには制限があります。また、ガイドラインも設定されているため、ひと通り目を通しておきましょう。フェイスブックからガイドラインに反すると判断された場合は、広告掲載の承認が降りません。
タイトル
広告のタイトルになる部分。ファンページの場合は、ファンページの名前が、イベントの場合は、イベント名が自動的に設定され変更ができません。外部サイトへのリンクの場合は、25文字以内で設定できます。
本文
広告の内容を説明する文章です。135文字で設定することができます。製品や企業の説明、ユーザーに起こして欲しいアクション(クリックしてクーポンをもらおう、クリックしてファンになろう)などを簡潔にまとめます。
イメージ
広告に表示される画像のサイズは幅110ピクセル×高さ80ピクセルです。これ以上の大きさの画像をアップロードすると、縮小されます。とても小さいので、文字が多く入ったり、要素の多い画像は適していません。一目見てイメージが伝わるものにしましょう。
対象ごとに広告をわけて、クリエイティブを作る
前述したように、フェイスブックでは広告を表示するターゲットをとても細かく設定できるので、対象者ごとに広告(一つのキャンペーンのなかに複数の広告を設定できます)をわけてもいいでしょう。
例えば、あるアパレルメーカーがセールの告知を行うとします。キャンペーンの予算は5万円あるとします。そのキャンペーンに男性向け、女性向けの広告を作成します。
男性向けの広告の画像は男性の洋服や靴などを設定します。広告のテキストも「ガイアがオレにもっと輝けとささやいている。セール開催中」など男性が惹きつけられるテキストを用意します。
女性向けの広告の画像は女性の洋服、アクセサリーなどを設定し、広告のテキストを「大人のセレブカジュアルで決める。ファンページでファン専用割引券を手に入れよう」などとするとよいでしょう。
このように対象によって、クリエイティブを分けることができるので、高い効果が期待できます。
過去履歴をみてみよう
フェイスブックでは、過去24時間に自分に表示された広告を「広告ボード」で確認することができます。一覧で複数の広告が表示されるので、どういう広告が目立つか、クリックしたくなるかなどを考えるときの参考になります。
ターゲットを絞る例
では実際にターゲットをしぼる方法を説明します。
来年20歳になる女性に振袖の広告をしたい
成人式など、特定の年齢をターゲットとする場合は年齢を限定して広告を作成しましょう。来年、成人式を迎える人は現在19歳、または20歳の人です。
「厳密年齢ターゲット設定を有効にする」にすると、その年齢の人だけを対象にします。例えば、今日は20歳だけど、明日21歳になる人がいた場合、今日は広告が表示されますが、明日は表示されません。このチェックを外した場合は、生まれ月の微妙なずれなどは無視してその年代の人に広告を表示します。目的によって使いわけましょう。
来年卒業する大学生にアピールしたい
採用活動のために自社のことを知ってもらいたいという場合、大学の卒業年度、大学、専攻などを指定して広告を出すことができます。
レストラン:地元の人に宣伝したい
レストランなどローカルビジネスの人にとっては、その地域に住んでいる人にアピールしたいものです。そこで、地域を指定しましょう。現在、日本語の市区町村名は対応していません。ローマ字で入力すると、対応している市町村名が表示されます。ただし、漢字で現在地を登録しているユーザーは対象にならないので、漢字表記に対応するまで待ったほうがよさそうです。
まとめ
さて、こうして設定した広告の効果は、広告マネージャーで情報が表示されます。インプレッション数やクリック数、インプレッション数に対するクリック率(CTR)、アクション数などをチェックしてみましょう。思った効果が出ない場合は、適宜クリエイティブや対象者、予算などを変更することができます。
さて、最後に大事なポイントですが、ユーザーは広告を見るためにFacebookにアクセスしているのではないことを忘れないようにしましょう。
ユーザーは友達と交流したり、情報を共有したり、好きなブランドの情報を得るためにFacebookにアクセスしているのです。広告はおまけのようなものですし、ユーザーの本来の目的を邪魔すようなものであってはいけません。むしろ、ユーザーのFacebook活用をさらに楽しくするような広告を意識して配信することを忘れないようにしましょう。
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